「真空調理の父」谷孝之の真空調理ポータルサイト

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真空調理の基礎知識

(1)真空調理の歴史

2)温泉たまごから生まれた?真空調理
温泉卵
フィルムをたまごの殻、中に入れたオリーブオイルをたまごの白味、鶏肉をたまごの黄味に置き換えた
 ある時、源泉の熱いお湯の中に生たまごを一定時間入れておくだけで、ゲル状に変成し、絶妙な味と食感が味わえる温泉たまごを見て、なぜ生でもなく固まりもしない、ほどよい状態に仕上がるのか不思議に思った谷氏は、たまごをお湯に入れていろいろ試してみました。
 すると65℃の温度に設定したお湯に40分間入れておくことで、最もおいしい温泉たまごができることがわかりました。
 そこで、これは65℃のお湯の熱がそのままたまごの中身に伝わることで、蛋白質が熱変成を起こし、調理が完成したのだと考え、たまごと親子関係にある鶏肉をたまごと同じ加熱条件で調理してみました。
 その時、鶏の胸肉をたまごの黄身になぞらえ、白身の代わりとなるオリーブオイルといっしょに、殻の役目を想定したプラスチックのフィルムに入れ、中の空気を抜いてたまごと同じ条件にしました。
 そして、たまごに見たてた胸肉を温泉たまごと同じく65℃のお湯の中に40分間入れて加熱してみたのです。するとどうでしょう、鶏の胸肉は「温泉チキン」と呼びたい位に柔らかい、ジューシィな食感に仕上がっていました。
 ここで谷氏が直感した2つの大切なポイントがあります。
 1つ目は、温泉たまごのようにお湯の熱エネルギーを空気を介在させることなく直接食材に伝えることができれば、食材の蛋白質が熱変成しながらも離水作用をおこさない微妙な温度帯での加熱調理が可能になり、これまでにないソフトでジューシィな仕上がりを安定的に実現できること。
 2つ目が、これまでは長年の修行を通して感覚として身につけるしかなかった加熱の「火」加減の技を、温度と時間の数値に置き換えることで、経験の浅いスタッフでも再現可能になることです。
 この2つのポイントこそ、真空調理がもたらす調理革新の原点と言えるものなのです。