「真空調理の父」谷孝之の真空調理ポータルサイト

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真空調理の基礎知識

(4)真空調理の工程と留意点

2)工程ごとの留意点 1
①素材
計画調理の推進
 大切なのは、HACCPの概念に準拠した鮮度管理を厳密に行った食材のみを使うことです。そのため、食材入荷時には必ず検品を行い、
●食材の芯温は5℃以下であるか
●不良食材ではないか
●異物混入がないか
 などを確認し、速やかに調理を開始するか、冷蔵保存(3℃以下)します。常温下の室内に長時間放置することは、絶対に避けなければなりません。
 また、真空調理では素材をフィルム内に密封して調理するため、食材ににおいがある場合には、それも閉じ込めてしまうことになります。このため、食材特有のにおいがある場合は、下処理や加熱などにより、においを取り除くようにします。
②下処理
下処理
 必要に応じ、カッティング(切り分け)以外に、以下の処理をします。
●あくやクセの強い食材の湯通し
●食材表面への焼き色付け
●野菜、甲殻類の色出し
 下処理で使った調理器具は使用のつど洗浄・殺菌をし、使用前に軽く洗い流すようにしましょう。 ふきんなどは、下処理する場所で使うものと、調理済み食品を扱うところで使うものは、完全に分けます。また、生鮮食品を扱った後は、必ず手を洗いましょう。
 さらに、肉などの表面の焼き色付けは、食材の香ばしさを増すだけでなく、付着した食中毒細菌を殺菌するためにも大切な作業です。こうした基本的なルールは徹底して守らなければなりません。
達人のワンポイントアドバイス
真空調理には特有の下処理がある!
●動物性素材の場合、細胞中のたんぱく質を含んだ水分が流出し、それが加熱によって凝固して、食材表面に付くことがあります。
一般的に鮮度のよい素材ほど保水率が高く、そうした現象が起こりにくいのですが、鮮度の高い素材の入手が困難な場合は、素材中の余分な水分を事前に取り除いておくことが必要です。
冷凍素材であれば脱水シートを使って吸水したり、和食の手法である強塩(ごうじお)、べた塩を使う方法も有効です。このように素材の特性を考えながら、下拵えの工夫をすることが大切です。
●「あく」を含む植物性素材の場合には、下拵えの段階であく抜きが十分に出来ていないと、苦味を強く感じたりすることがあります。ぬかで茹でこぼしたり、でんぷん質の入った湯で一度ボイルするなどの下処理をするといいでしょう。大根のように、季節によって苦味に差がある素材の場合は、特に慎重に吟味することが必要です。
緑黄色野菜は短時間の加熱調理が基本なので、一般的には真空調理を行うことは少ないと思われますが、真空や少量の脱気状態にして保存することは、緑黄色野菜に含まれる葉緑素の保存には一定の効果があります。
ただし、真空調理を使う場合も短時間加熱にすべきで、長時間加熱してしまうと、葉緑素の色を保つことが出来ません。