「真空調理の父」谷孝之の真空調理ポータルサイト

真空調理ドットコム
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  1. 真空調理の基礎知識
  2. >
  3. (5)真空調理の衛生管理対策
  4. >
  5. 1)衛生管理上のリスクと対策、2)フランスの規則と基準

真空調理の基礎知識

(5)真空調理の衛生管理対策

1)衛生管理上のリスクと対策の基本
 真空調理では、食材をフィルムの中に密封するため、二次汚染の危険性が少ないことの反面、万一食材に食中毒細菌などが付着していると、フィルム内で増殖し、重大な事故につながりかねません。 また、ボツリヌス菌やウェルシュ菌などの酸素が無い環境を好む嫌気性芽胞菌への対策も大きな課題です。
 こうした真空調理ならではのリスクを認識し、万全の微生物対策を行うことが、導入する上での基本的責任と言っても過言ではありません。 特に、安全確保の立場から真空調理における「低温加熱」と「保存期間」の関係を、しっかりと理解しておくことが重要です。

2)フランスの規則と基準
 真空調理の発祥の地フランスでは、1970年代から農業省が中心となって、真空調理の運用に関する通達が次々と告示され、安全確保のためのきめ細かな規則や基準に沿った管理が義務付けられています。
 そうした規則や基準の前提となる課題を、真空調理の発案者であるジョルジュ・プラリュ氏は「真空調理法に関する十戒」として、次のように定義しています。
1.HACCP技術マニュアルの設置
2.完璧な衛生環境
3.原料の新鮮さと清潔さ
4.作業手順の習熟と管理
5.ラベル貼付
6.加熱調理の習熟と管理
7.冷却方法の習熟と管理
8.保存温度の習熟と管理
9.保存期間
10.再加熱
 そして、ジョルジュ・プラリュ氏の教え子であるフランソワ・ショアン氏とフィリップ・ノエル氏は、共著「真空調理法」〜科学的基礎から実際の応用まで〜の中で農業省・品質局食品衛生獣医業務部の通達等にもとづいて、以下をはじめとする規則・基準を挙げています。
●伝統的なレストラン業では、動物由来の生の製品をそのままの状態で真空保存することは禁じられている。
 但し清潔さを保つ効果のあるマリネは許容・推奨されている。
●衛生規則を遵守し、高品質で新鮮な製品を真空加工しなければならない。
●低温加熱(100℃未満)を行う場合、加熱後直ちに急速冷却し、2時間以内に10℃まで冷やさなければならない。
●真空加熱調理を行う場合、肉製品(食肉および魚肉)の包装は、加熱直前に行わなければならない。
 加熱温度は100℃〜最低63℃、芯温は最低58℃。
●真空包装によって好気性細菌の増殖を防止することができるが、嫌気性細菌を撲滅するには、真空化と冷却
 (0〜3℃)を同時に行ってその増殖活動を抑えなければならない。
●コールドチェーン(製品を0〜3℃で保存)を遵守しなければならない。
●再加熱(63℃以上)は急速に行い、その後1時間以内に消費すること。
●3℃以下で保存する場合、保存期限は6日間。
 また、フランスでは真空調理における低温殺菌の安全性が認められており、加熱温度と加熱に必要な時間(温度が上ると時間は短く、温度が下がると時間が長くなる)を設定する計算方法の概念が示されています。
 さらに、食品衛生獣医業務部の通達で定められた事前条件を満たした真空加熱調理後冷蔵保存された調理済み料理の製品には、低温殺菌値に応じて21日から最大42日の保存期間が認められると明記されています。